
短編BL小説 いろいろ。
第4章 クリスマス
「あ。そだ。先輩、よかったら今日飯でもご一緒しません?」
飯?
今日??
そう。平日ではあるものの今日はクリスマスイブだ。どこも混んでいるだろう。
そんなことを考えながら、伊織が悩んでいるのを察したのだろうか。
「さっき、彼女と別れたばっかっていったじゃないっすか。予約してたクリスマスディナー、まだキャンセルしてなくって。あ、オレ、奢りますよ!!」
敦也が一気にしゃべる。
クリスマスディナー…。
自分には縁がないものだ。たまにはそんなものを食べてみるのもいいかもしれない。
「良いよ、ただしワリカンで頼むな。」
「はいっ!!」
敦也は目をキラキラさせながら元気な返事を返すと、かるく会釈して自分の椅子に戻っていった 。
クリスマスディナーね…。
「さ、早く帰れるよう頑張るか。」
そう呟くと、明後日友人との約束がある以外全く予定がなかった伊織は、ちょっと楽しみが増えたと嬉しく思った。
