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短編BL小説  いろいろ。

第1章 高校男子。

花びらはすっかり散り、葉桜になると、奏都は入学式の出来事をわすれかけていた。





・・・・


とある日。

奏都は誰かに呼ばれたかのように、桜の木に足が向く。

気がつくと樹の前まで来ていた。





「・・やぁ。新入生クン。」



まただ・・・。
入学式のときと同じように、抱かれるようにして樹にもたれる人影を見る。




ふわふわとしたその人影は、よくよく見たら奏都と同じ制服を身にまとっている。



「・・・・あなたは・・・?」

奏都は尋ねた。


ふふっ


人影は優しく笑った。


ふわりふわりと奏都に近づくと、ごく自然に唇を重ねた。


「・・・・っふ、あっ・・」

軽くついばむ様なキスから、舌を絡め取られ呼吸の合間に声が漏れる。


奏都は、少々驚いたものの抵抗はしなかった。


嫌・・、じゃなかったから。



なぜ・・・?




唇をはなした人影は、奏都の目の前でまた、ふふっと優しく笑う。

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