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月夜に咲く

第6章 月嶋 詩織

そんなある日母親が
酔って帰ってきた。

詩織達は怯える
今までで初めて見る表情だったからだ


何見てるのよ!
パシッ!

伊織が叩かれ泣いた、

「煩いっ!
 泣くんじゃないよ!」

パシッ
 パシッ

「ママッ!
 やめて!
 伊織が可哀想だよ
 痛がってるよ!
 お願い……
 血が出てるよぉ」



「生意気言ってんじゃないわよ!
 代わりにあんたが叩かれたいの?」

そう言って詩織を叩き出した、


母親が夜遅く帰って来るようになった
お酒の臭い
香水の臭い
煙草の臭いをさせながら。

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