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出会いの海岸

第1章 出会い

店員「娘さんと母親を残して出ていっちゃったんだよね。娘さんは小学生ぐらいだったの。そして、お母さんが娘さんが高校生ぐらいの時に、ガンでなくなって」
客「そうだよ。真由美ちゃんていうんだけど、お母さんは、悪くなってからすぐだったね」
店員「それでも真由美ちゃんは、一人で暮らしながら高校は卒業して、就職したの。その真由美ちゃんが、お父さんに、あの海岸で偶然あったんだって言う話」
サンタ「それは、偶然ちゃうやろ。父親は、ちょくちょくのぞきにでもきてたんと違うか」
店員「それが、お父さんは気がつかなかったって」
サンタ「なんでや」
店員「真由美ちゃんが、大きくなってたからよ。でも、真由美ちゃんは覚えてたって。まあ、10年ぐらい経っても、親の顔ってそうは変わらないからね」
サンタ「ふうん」
店員「その日は、真由美ちゃんは、お父さんのことを考えながら海岸を歩いてたんだって、そしたら、目の前からそのお父さんが歩いてきたんで、びっくりしたんだって」
サンタ「なんや、その父親は。なんで、海岸歩いてたんや」
店員「未練でもあったんじゃないの。10年ぶりに、戻ってきたんだって。でも、家には行けなかったんでしょ」
サンタ「それで、海岸を歩いてたわけか」
店員「そうなの。元々、お父さんはここの人だったから。帰ってきたいのに、帰って来れなかったんでしょうね」

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