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出会いの海岸

第3章 エンディング

帰りは、涼子がずっと歌を歌っていた。
涼子「ラ、ラッパのラ。レ、レモンのレ~」
サンタ「それは何の歌なんや」
涼子「歌舞伎座のおんな~」
サンタ「何や、椎名林檎か。それ、歌舞伎町の女王やろ。お前何でもいい加減なんやな」
涼子「歌は、ハートだから、歌詞なんか関係ない」
サンタ「そんなことあるか。歌詞にそのハートが込められてるんや」
涼子「誰もが、私を化石にしても。あなたに、生かしてもらいたい~」
サンタ「ははは、お前には、その歌詞の意味はわからへんやろ」
涼子「そんなことないよ。雰囲気ぐらいは分かるよ」
サンタ「そうやな、雰囲気だけやな、お前らに分かるのは。だいたい、恋人もいいへんからこんなことするんや。うさを俺で晴らすようなまねしやがって、ほんとう、ゆるさへんわ」  
有香「私は、いるよ」
サンタ「ほんまか」
有香「いた」
サンタ「何や、過去形か」
涼子「有香は、大変だよ。毎日、青あざ作ってから、学校にきてたんだから」
サンタ「なんやそれ」
涼子[DVだよ。何の略か分かる」
サンタ「分かるわ。そんなもん。お前ら、ようわからんな、生活実態が」
有香「嘘だよ。DVなんて」
サンタ「ほんま、俺はお前らの父親じゃなくてよかったわ。会話もしたくないわ」
有香「そんなこといわれてたんだね。きっと、自分の娘に」
サンタ「ほんとうはな。ふざけるな。だいたい、俺は一緒には、暮らしてはいいへんわ」
有香「でも、その代わり新しい娘が現れて、よかった。よかった」
サンタ「娘と父親と、その友達2人か。アホ、そんなわけあらへんやろ。こんな災難にあったのははじめてや」

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