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「行ってらっしゃい！！」

（行ってきます。）

動かない口の代わりに心で返事をして学校へ向かう。
だが、その足取りは重い。
なぜならいつまで待っても翔からの返信が返ってこないからだ。
もし学校へ行っても翔がいなかったら・・・・・・。
その恐怖が胸の中をぐるぐると渦巻いている。

「おはよー。」

「おーっす。」

などとあいさつをしている生徒の中をトボトボと歩く。
すると、

「おはよー！！」

という声とともにバチンと背中に張り手が・・・・・・。

来る前にその手を右手で弾き返し左手の手刀を喉元につきこむ。

「きゃっ！？何！！？」

（あ・・・・・・。）

ぎりぎりで手刀を交わした女子生徒は当然のごとく驚いていた。

「もーっ！なんなのよ！！」

その声に悪いと手話で謝りつつ相手の顔を見る。

女子にしては高い身長。
真っ黒の髪の毛をポニーテールでまとめ頬を膨らませているその女子は・・・・・・。

（・・・・・・？）

・・・誰だ？
頭にクエスチョンマークを浮かべる。
どこかで見たことがあるような気もするが・・・・・・。

「あれ？覚えてないの？」

その言葉にコクリとうなずく。

「もう・・・・・・。まあ後でわかるか。時間やばいし先に学校行っちゃお？」

その言葉に今日は朝の集会がある日だと思い出す。

「じゃあいこ？」

その女子に腕をひかれるまま俺は学校へ向かった。