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テニスの王子様かもね

第4章 記憶

いつの間にかハルトは大石から借りていたハンカチを握っていた。

ハルト:<そっか…今日だ…ユリやアオイ、ヴィアさんとユーレンさんの命日は…>

ハルトは双子の姉妹と両親の命日が今日なのに気が付いた。無造作にポケットに手を突っ込むと二つ折りにされた紙が入っていた。それを広げてみるとこう書いてあった。

ーーー今までごめんなさい。
愛しています。家族として…
生まれてきてくれてありがとう。
家族よりーーー

と書いてあった。途中から字が滲んで見えたのは泣いていたのと雨が降ってきたから。

ハルト:…うっ…ヒック…

ハルトは今までにないくらい大粒の涙を流していた。雨で濡れて、水性の髪染めがおちていく。涙でカラコンがはずれた。本来のハルトの姿に戻ったのだった。

河村:如月!

河村が傘をさして近づいてきた。その傘の中にハルトを入れる。

河村:皆部室にいるけど行く?

ハルトは泣いていて答えれない代わりに頷いた。河村はそんなハルトの背中を擦りながら部室へ向かった。

〜部室〜

突然の雨で部室に避難していたテニス部の部員。ハルトがいない事に気付き、部長に声を掛けたところ、河村がハルトを迎えに行ったので帰ってくるのを待っていたのだ。

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