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IF……餃子を食べたら?

第2章 時生さんに餃子を食べさせてみた

(あぁ……時生さん……)

一「よーし!じゃぁ質問タイム~♪」

一条くんが身を乗り出してはしゃぎ始めた。

一「じゃぁ、まずは簡単なところから……好きな食べ物はなんですか?」

握りこぶしを時生さんの口の前に差し出した。

夏「愛実ちゃん♪」
愛「!!!」
志・一「……」
一「えっと…じゃぁ違う質問……モジャ!なんか質問してよ!」
志「あぁ?じゃぁ、今やりたい事はなんですか?」
夏「そりゃぁ、愛実ちゃんとイチャイチャ♪」
愛「!!!」

志水さんが急にしたり顔になった。

志「じゃぁ、昨日は何をしてたんですか?」
夏「昨日?昨日はねー、黒猫終わってから一緒にお風呂に入ったんだよね~♪アヒルさん浮かべて、チャプチャプチャプって……」
愛「わーーーーーーー!!!」

大声で時生さんの声を遮る。
だけど私の努力は報われることなく、時生さんは続けて喋り出す。

夏「その後は、俺が白衣に着替えてお医者さんごっこだよね~♪愛実ちゃんの『時生先生』って言うの、すごくいいの。でも今度は俺が患者さんってのもいいかなーって。愛実ちゃんが白衣姿で『お口を開けてください』なんてお願いされたら、もうお兄さん、心臓が持たないかも♪」
愛「と、と、時生さん!」

(その前に私の心臓が持ちそうもないんですけど……)

夏「ふふ。そんなに赤くなっちゃって」

チュッ。
時生さんが、私の頬にキスをした。
わざわざなのか、リップ音つきで。

愛「!!!」
志・一「………」
夏「あら?2人ともどーしたの?」
一「……なんか、すごい生々しいんですけど…」
志「だな……。餃子パワーすげーな。おい、天パ。これ、食べさせる相手間違ったんじゃね?」
一「うん。だよね……なんか僕、精神的に疲れた……」

(一番疲れてるのは私なんだけど……)

志「あー。河合、わりー。俺ら帰るわ」
一「僕、もう今日は帰って寝たい……河合さん、時生ちゃんの事よろしくね」
愛「ええっ?」

精神的なダメージを色濃く残した2人の背中がやけに哀しくみえる。

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