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IF……餃子を食べたら?

第2章 時生さんに餃子を食べさせてみた

夏「あらら。2人共帰っちゃった。じゃぁ後片付けしますか。愛実ちゃん、手伝ってくれる?」
愛「は、はい」

使ったグラスを洗い、食材のチェック。
2人で分担して店内清掃を始める。

愛「時生さん、こっち終わりました」

言い終わると同時に時生さんがふわりと後ろから抱きしめてきた。

夏「さーて。そろそろ白状してもらおうかな?」

首筋に時生さんの唇を感じる。

愛「んっ……」
夏「白状しないんなら、ここで……」

時生さんの指がゆっくりと身体のラインをなぞる。

夏「くすぐっちゃうよ!」
愛「キャーッ、アハハっ、ちょ、ちょっとやめて…アハッ……」

身をよじって逃げようとするものの、時生さんは止めてくれない。

愛「わ、わかりました!言います、言います。だからやめ……」

やっと時生さんが指を動かすのをやめてくれた。

愛「実は、あの餃子……」

(あぁ……絶対怒られる…)

怒られるのを覚悟して、目をギュッとつぶる。
口を開いたその時

夏「すごく美味しかったよ」
愛「へ???」
夏「ん?」

時生さんが首を傾げながら顔を覗きこんできた。

夏「どーしたの?そんな顔しちゃって?」
愛「え?だって私、怒られると思って…!!!」

(やだ、私何バカ正直に言ってるの……)

いよいよ本当に怒られると思うと顔が上げられない。

夏「んー。それは……あの餃子に自白薬が入ってたから?」

時生さんの指が私の鼻の上で止まった。

愛「!!!…し、知ってたんですか?」
夏「ふふ、まぁね。だって俺、あの開発チームにちょっと参加してたし」
愛「え?じゃぁ、知ってて餃子を?」
夏「まぁ、たまには可愛い後輩のお遊びにも付き合ってあげないとね?それに……」

時生さんの暖かな両手が私の頬を包み込んだ。

夏「愛実ちゃんの慌てた顔も見れたしね♪」

包み込んだ両手にそっと引き寄せられた。

愛「時生さん……」

柔らかく唇が重なる。
見つめ合う眼差しに、とん、と、
一呼吸置いてから訊ねた。

愛「あの…食べさせちゃってから言うのもなんなんですけど……大丈夫ですか?」
夏「ん?俺も実際に試すのは初めてだけど、なかなかの出来栄えだよ」

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