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IF……餃子を食べたら?

第2章 時生さんに餃子を食べさせてみた

甘い熱から覚めたとき、
目の前には大好きな時生さんの顔があった

夏「愛実ちゃん…大丈夫?」

コクリと頷いてみせた。

夏「そう。じゃぁこっちにおいで」

そっと出された腕に頭を預けると、
そのまま柔らかく抱きしめられた。

夏「ねぇ。愛実ちゃん、一つ質問してもいい?」
愛「はい。なんですか?」
夏「どうして俺に餃子を食べさせたの?」
愛「えっ?」

(そういえば……どうしてだろう……)

夏「俺、また愛実ちゃんを何か不安にさせてる?」

時生さんが監視役だった頃は、
明るくて、気さくで、でもちょっとチャラくて。
それでも絶対に本当の姿を見せてくれなくて。
見えない壁があって。
でも、今は。
時生さんの恋人になってから
私は一度も不安になんてなったことはない。
だってそれは
私を真っ直ぐに想ってくれている
時生さんの想いに包まれてるから。

愛「なんにも不安なんて感じてないですよ。だって時生さん、いつも私にちゃんと伝えてくれるじゃないですか。でも、強いて言うなら……」
夏「強いて言うなら?」
愛「はやく『夏目愛実』って呼ばれたいかな……」
夏「……もう…。愛実ちゃんにはかなわないよ」

抱きしめる腕に力が入って
おでこにそっと唇が触れた。

愛「えっ……?」
夏「その無自覚なところも……」

優しく微笑む時生さんと目が合った。

夏「ねぇ。今度の休みに、二人でこっそり結婚式あげちゃおうか」

少し悪戯っぽく言う時生さんの耳がほんのり赤い。
それがなんだかくすぐったい温かみを感じさせる。

愛「…いいですよ」
夏「愛実ちゃん……もう、今日はなんだかお兄さんやられっぱなしだなぁ……これじゃぁますます愛実ちゃんを離せそうにないんだけど?今日は寝かせてあげれそうにないけど……いいよね?」
愛「はい」

唇に時生さんがキスを落とす。
それはまるで約束を交わすような甘いキスだった。

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