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IF……餃子を食べたら?

第4章 蓮くんに餃子を食べさせてみた

当然っといった顔つきの蓮くん。

愛「えっ?無理だよ。このエステコースの予約取るのすごい大変だったんだもん。それに麗子との約束の方が先だったし……」
一「予約はまた取ればいいでしょ?僕と出かけたくないの?」
愛「そんな事言ってないじゃない。大体どこに行くの?」
一「えっ……。それは内緒」
愛「内緒って…行き先も教えてくれないのに、麗子との約束やめろっていうの?」
一「……。もーいいよ!僕、帰る!」
愛「ちょっと蓮くんっ!」

バタン!!!

愛「……」
夏「あらら。全く一条ちゃんは……」

(もう……どうしていつも勝手なの?)

鼻の奥がツーンする。
奥歯に力を込めてないと涙がこぼれそになる。

???「何言い合ってんだよ」

VIPルームから出てきたのは志水さん。

愛「志水さん、来てたんですか?」
志「んー。ああ。って、お前ら何言い合いしてんの?こっちの部屋まで会話筒抜けなんだけど」
愛「……すみません」
志「ったく。天パ何やってんだ……」
夏「一条ちゃんは愛実ちゃんの前まではわがままっ子だもんね」

奥歯に力を込めているのに、 そんな私の努力とは裏腹に涙がポロポロ溢れてしまう。

夏「愛実ちゃん……」

夏目さんはそっとハンカチを手渡してくれる。

チーーーン!!!

志「うわっ。」
夏「えぇっ!?」
愛「だって、もう鼻が限界で……」
志「だからって、お前、ハンカチで鼻かむかぁ?」
夏「…いいんだよ、志水。気の利かないお兄さんの失敗」
愛「……ずみまぜん」
志「ってかさぁ、さっさと天パの機嫌なおさねーと面倒なんじゃねーの?」
夏「そうだねぇ。一条ちゃん拗ねると長いから…」
愛「……」
志「あっ、これ、持ってけよ」
愛「???これ、なんですか?」
志「ん?餃子。親父が『たまにはこれでも食って語り合おう。』って渡してきたんだよ。先帰って食っとけって。でも、俺これからKKBのオフ会あるし、これ、お前にやるよ」
愛「え?でもいいんですか?長官これから志水さんのところに来るんですよね?」
志「あぁ。まぁ、じーちゃんいるからなんとかなるだろ?こっちは語り合う事なんてねぇーつーの!」

そう言って志水さんは頭をボリボリ掻きながらお店を出て行ってしまった。

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