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IF……餃子を食べたら?

第4章 蓮くんに餃子を食べさせてみた

ホットプレートに餃子を並べて数分後。
食欲をそそるいい匂い。

一「もうそろそろいいかな~?」

お茶の用意をしている私をチラッと見た蓮くんが言う。

一「じゃぁ~お先にいっただきまーす!」
愛「えっ?」

パクッ
急いでテーブルに戻ってきたけれど。
先に餃子を食べてしまった蓮くん。

愛「もう…一緒に『いただきます』したかったのに…」
一「あはは。だって愛実ちゃん遅いんだもん。それに…」

蓮くんの指先が私の頬に触れる。

一「ほら…。このムゥーとした顔。愛実ちゃん可愛い~」
愛「!!!」

(な、何?今、蓮くん…さら~っと凄い恥ずかしい事言ってくれたような…)

一「あは。なーに赤くなってんの?愛実ちゃん、やっぱりかっわいいー。それにしてもこの餃子すごく美味しい。さすが長官のお勧めだね」

パクッ
さっきまで不機嫌モードだった蓮くんはどこへやら。
目の前にはご機嫌モードの蓮くんがニコニコ笑顔で餃子を食べている。

(あまりの変わりように頭が…)

一「もー、なにさっきから変な顔してるの?ほら。あーん?」
愛「!!!」
一「あれ~?あーんしないの?だったら…キス……しちゃうよ?」
愛「!!!します!します!」

パクッ
モグモグモグ…

愛「ん~!美味しい!!ホントだ。蓮くん、この餃子本当に美味しい!」
一「でしょ?でしょ?でしょ~?」

(夏目さんの言う通りだ。美味しいものって仲直りできるんだ。でも……)

気のせいだろうか。
思った事が口からポロっと漏れてしまう。

(蓮くんもなんだか今日はやけに素直だよね?……)

それは蓮くん自身も感じているようで、
少し眉間にシワを寄せて考え込む姿が目に入る。

愛「れーんくん、何ココにシワ寄せてるのー?」

(あぁっ、また口が!!)

一「うん……なんかさー、今日の僕、変じゃない?」
愛「それ、私も思った。いつも蓮くんって拗ねると大変だけど、今日は機嫌もなおってニコニコだし、素直だし?可愛いなーって思った!!」
一「…えー、何それ。僕、男なんだから、可愛いとか言われても嬉しくないのに。愛実ちゃん……なんかムカつく……」
愛「あっ……ごめん」

(蓮くんが可愛いって言われても嬉しくない事知ってるのに、なんで言っちゃったんだろう……)

後悔だけが胸に残る。

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