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IF……餃子を食べたら?

第4章 蓮くんに餃子を食べさせてみた

一「ってかさぁ……僕も…ごめん…」
愛「えっ?」

(えぇっ?!あの蓮くんが謝ったぁ???)

蓮くんの口から出てきた驚きの言葉に私の頭は混乱。
そんな私を知ってか知らずか
蓮くんは言葉を続ける。

一「僕、その…嬉しくって……愛実ちゃんの都合も考えないで……」

そう言うと、蓮くんはその場から立ち上がり、デスクの引き出しから封筒を持ってきた。

一「開けて……みて……」

封筒の中身を確認する。

愛「小型船舶操縦免許証……?」

そして気がついた。
右隣に『一級』の表記があることを。

愛「れ、蓮くん…これ……!」
一「うん……。やっと取得できたんだ。それで、ちょっと海外は無理だろうけど、オーナーが3日間、船舶貸してくれるって連絡来て……」
愛「えっ?!待って。だって……私、蓮くんが勉強してたなんて…知らないよ……」
一「そりゃあ…そうだよ。……だって…、愛実ちゃんが眠ってから、こっそり勉強してたんだもん」
愛「な…なん……で?」

少し頬を赤らめた蓮くんが照れくさそうに言葉を繋げる。

一「僕ね。また見たかったんだ……僕がソムリエの資格取った時の……喜んでくれた愛実ちゃんの顔が。それで、こっそり勉強して…サプライズしたら、また愛実ちゃんのあの顔が見れるなって思って……って……もう!何なの?今日の僕、すっごい、お喋りっ!!」

言うだけ言うと、蓮くんは枕に顔を埋めてしまった。

(知らなかった……)


♪Trrrrrr~

愛「もしもし、麗子?ごめん!エステ行けなくなっちゃった。……うん、蓮くんと旅行に行くことになっちゃって……。わかってる!本当にごめん!!蟹松のフルコースおごるから!うん、うん。本当にごめんね……うん、ありがとう……」

プツッ

愛「ハァ…ハァ…ハァ……」

(勢いだけで断っちゃったよ…)

私の勢いにびっくりした蓮くんが目を丸くしている。

一「あの…、愛実ちゃん、こういうの断るにしても、もう少し…、その…オブラートに包んだ言い方で言ったほうがいいんじゃないの?」
愛「そ、そうだよね……。わかってるんだけど、今日、なんだか誤魔化せないって言うか、口が勝手に動いちゃうんだよね…」
一「…あっ、それ、僕も……」

お互いの顔を見合わせた途端

2人「ぷっ」

妙に恥ずかしくて。でも、嬉しくて。
私達は、ほぼ同時に笑いあった。

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