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IF……餃子を食べたら?

第1章 晴樹に餃子を食べさせてみた

愛「……」
一「ぼ、僕……、そういえばオーナーに呼ばれてたんだっけ……」
愛「えっ?」
一「あ。うんうん。そうそう。僕…そろそろ行かなきゃな~」
愛「……一条くん、それ、嘘でしょ?」
一「ちょっと河合さん!僕の事疑うの??酷いなー」
愛「えっ?本当だったの?」
一「えへへ。どーだろ?でもさ、このままここにいたらあの2人の潰し合いに巻き込まれちゃうだけだよ。河合さんも早く退散した方が身のためだと思うけど?じゃ、僕帰るね~」

ひらひらと手を振って、一条くんはあっという間ににVIPルームを出ていってしまう。

桐「河合、今のうち晴樹の拘束を解いてやれ」
愛「!!!」

身動きひとつせず項垂れた晴樹の姿が目に入る。

桐「あんなにダメージを負った晴樹を見るのは始めてだな。今日はゆっくり休ませてやれ」
愛「はいっ」

晴樹に駆け寄る。

愛「晴樹、大丈夫?」

拘束を解かれた晴樹は
自分の体の感触を確かめ始めた。

桐「大丈夫か?」
志「……」
桐「少しやり過ぎだとは思ったが、悪く思わないでやってくれ」
志「うっす」
桐「ここは俺が引き受けておくから、お前達は帰っていいぞ」
愛「ありがとうございます。晴樹……帰ろ?」
志「……」
桐「気をつけて帰れ」
愛「はい」

私達は黒猫を後にした。

愛「晴樹」
志「……」

晴樹は両手をポケットにしまったまま、
スタスタと歩いて行ってしまう。
私はその腕をギュッと掴んで
隣を歩くのが精一杯だった。

志「お前んち、寄っていい?」
愛「え?うん。いいよ」

(晴樹、疲れてるよね……今日はゆっくり休ませてあげよう……)

掴んでいる腕に少しだけ力を込める。
いつもとは少し違う晴樹の歩調に違和感を覚えながらアパートに向った。

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