
ちび恋
第1章 幼馴染
私たちは歳が一歳離れている。
小学生になるのも中学生になるのも、
そして高校生になるのも私が一歩先。
奏多は私のことを幼稚園の頃からしたっていたけれど、
私が小学生になるころ、奏多は幼稚園のまま。
私が中学生になるころ、奏多は小学生のまま。
一緒に登校することはだんだんなくなり、
いまでは家の外で会うと少し会話をするくらいだ。
それがすごくさみしい。
「悠おねぇちゃん」と呼んでくれることもなくなってしまった。
奏多が小学生になる頃私のことを
「悠ちゃん。」
そう呼ぶようになった。
たしかに、小学生にまでなって兄弟でもない女子を
おねぇちゃんって呼ぶのは変だと思う。
仕方が無いから
あきらめた。
そして、奏多が中学生になるころ、
奏多は私を「悠。」と呼ぶようになった。
声変わりが始まって、自分の知っている奏多ではなくなってしまいそうで、不安だった。
でも、成長することってこういうことなんだ。とおもった。
そしていま、奏多は高校生になろうとしている。
奏多はサッカー部に所属、私は部活に入っていないため
登下校も時間はバラバラ。
中学3年生の春から、私は奏多のことを一度も目にしたことはなかった。
そんな奏多はいまどうしているだろうか。
なにを考え、どう成長してるのかな。
私はふと思うけれど、長い間会ってないから
あったときになんて話しかけよう。なんて不安になった
私は高校2年生になる。
新たな幕があける
胸の高鳴りを感じながら
家のドアを開けた。
「いってきます!!」
