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TRUE LOVE〜本物の愛〜

第1章 暗闇





図書室のドアを開けると予想通り無人の空間。



静かで落ち着いた色調の風景に安らぎをかんじた。



椅子に腰を掛けると、
おもむろに本を取り出し、読み始めた。










ーーーーーーーー…




しばらく時間が経ち、読み始めた時間から2時間が経過していた。


うわ。もう、こんな時間。

帰らないと!







私はバッグを肩にかけると、図書室のドアを開けようとした。

そのとき。








ガラッ





私ではない誰かがドアを開けたのだ。


「わっ!」



私はびっくりして声をあげた。




「こんなとこにいたんだ、依子さん…探したよ」



なんだかニヤついた男。



今日私に告白してきた男だ。







「悪いけど私いまかえるところなの。

通してくれない?」




ドアの前に立ちふさがり、通れない。


「嫌だね。」


ニヤついた男は私のほうへジリジリと距離を縮める。



なんなの…こいつ。





「あの、なんなの?なにがしたいわけ?」



帰りたいっていってるじゃないー…

そうつづけようとしたが


「帰さないよ」



その言葉にかき消され、わたしの視界は反転した。





「きゃっ!」




「今日はたっぷり楽しませてもらうよ依子さん」





うそー…



絶望感がおそい、もう誰もいないであろう校内に
誰かがいるのを願った。




「やだ!やだ、助けて!!だれかっ」


ジタバタと抵抗するものの相手は男だ。




「依子さんおとなしくしてろよ
おとなしくしてれば、痛いことはしないから」





こいつ、さっきまでと態度が全然ちがう。


やっぱり男なんて信じられない。




冷静に物事を判断しようとするが、

ネクタイで両手を塞がれ、
図書室のカウンターに置いてあったガムテープで
口を塞がれた。





「んー!っん!」声にならない声を上げながら
まだ抵抗を続ける。




こんなのは嫌だ

誰かたすけて…

神谷くん………

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