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覇者の剣

第2章 襲撃

「そこか!」


男は笑い声のする方向に光の玉、念波を打ち放つ。
しかし念波はむなしく空を切った。


「あっはっは、どこ撃ってんねん」


上の方から声がした。
仰ぐと、空中に野球帽を被った少年が浮かんでいた。


「何者だ、貴様は」

「わい? わいはな、須王颯汰(すおう そうた)っちゅうねん。ピチピチの高校二年生や」


にこにこしながら関西弁の少年、颯汰は言った。
男はチッと舌打ちをする。


「そんなことを聞いてるんじゃない! 貴様は…ただの人間ではないだろう?」

「……」

「言いたくないか…。だがどっちにしろ、私の邪魔をするやつは生かしておくわけにはいかない」


そう言って男は手に念を込めた。


「まってぇな」


それを制するために、颯汰は地面に降り立った。


「今あんたと戦うつもりはあらへん。わいはそこの男に用があるんや。なぁ、譲ってくれへんか」


颯汰は気を失って倒れている基を指差す。



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