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覇者の剣

第3章 記憶

「あのさ…助けてくれたことには感謝する。だけどオレはその天魔一族とは全然関係ねぇから、帰らせてもらう」


基は布団の側にあった学ランを羽織ると、鞄を持って立ち上がった。
颯汰は微動だにせず俯いている。


基は窓から外を眺めた。
辺りはすでに真っ暗で何も見えない。
街灯すらないため、ここがどこなのかさっぱりわからなかった。


「あのさ…名前、なんだっけ?」


仕方なく、基は颯汰に聞いてみることにした。


「…須王颯汰や」

「須王か、オレは春日…」

「知ってるわ」

「はぁ? なんでオレの名前…。てか、そういえばさっきオレが目覚めた時、オレの名前呼んだよな!?」

「今頃気づくとか…」


颯汰はニヤリと笑った。


「なんだよ、お前…ストーカー? 気持ち悪!」

「あんな、言っとくけど…先にコンタクト取ってきたんは基やで!?」


スクッと颯汰は立ち上がった。


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