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覇者の剣

第3章 記憶

「はあ? オレが? いつ?」

「わいらは換生する時はバラバラなんや。誰がいつどこで換生してるかはわからへん。せやけど、近くにおれば《気》を感じることができるんや。基はわいと町ですれ違うた時に笑ったんや、そして自分の名前をわいに告げた」

「……」

「ほんまやで! なんで覚えてへんのや!」

「…人違い、じゃねぇ?」


基は苦笑した。
また颯汰は悔しそうな表情を浮かべる。


「つか、換生ってなに? 全く意味がわからないんだけど」

「換生もわからへんのか」

「あ? わかるわけないだろ」


嫌味を言う颯汰につっかかる基。


「換生っちゅうんはな、魂の記憶を持ったまま、別の肉体に入るってことなんや」

「え…それって、いわゆる乗り移るってことか?」

「ちゃう。例えば…わいの肉体は『須王颯汰』という人物の肉体なんや。でも『須王颯汰』の魂はここにはおらん。この体に入ってるんは、600年前から換生を繰り返してきた『武蔵(むさし)』という魂なんや」


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