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覇者の剣

第4章 転校生

「くぉら、春日! また喧嘩か!?」


遅れて登校すると、廊下で担任に見つかった。
担任は髪を二つに結び、メガネをかけ、緑のジャージを着ている。いつぞや流行ったドラマの主人公かよと思わず突っ込みたくなるほど激似だ。


「こら、無視すんじゃねえ!」


しかも女の癖に口が悪い。
基の睨みにも怯まない。


「…はぁ、なんだよ」

「お前に頼みがある。遅れてきた罰として、転校生に学校を案内してやれ」

「はあ? なんでオレがっ…」


すると担任の背中に隠れていた転校生が姿を現した。


「はじめまして」


転校生は無表情で挨拶をする。
前の学校の制服なのか、女子とは違うブレザーの服を着用していた。
髪はショートで背が高く、スラッとしている。


「碧也薫(へきや かおる)です。よろしく」


基は薫から突き刺すような視線を浴びた。


(なんだ、この女…どこかで会ったか?)


考えを巡らすが、覚えていない。


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