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覇者の剣

第4章 転校生

「こら、春日! 女の子には睨むなよ? あとお前のせいで碧也が絡まれたらちゃんと守るように! んじゃ、あとはよろしくな」


担任はそう言うと、基と薫を残して去っていった。


(くそっ…睨まれてたのはこっちだっつの)


基はチラッと薫の横顔を見た。
薫はもうよそを向いている。


「あー…っと、どっか見たいとこあるか?」

「……」


今度は目も合わせやしない。
めんどくさい女だ、と基はため息を漏らした。


「んじゃ、適当に見といて。オレは行くから」


そう基が薫に背を向けると、


「…覚えてないの?」


突然、質問を投げかけられた。


「え?」

「覚えてないの? あたしのこと」

「……」


なんだか前にも同じような質問をされたような気がしたが、あえて思い出さないようにした。


「あんたとは初対面のはずだけど?」


基がそう言うと、薫のこめかみがピクッと動いた。


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