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覇者の剣

第4章 転校生

「そう…」


視線を落とすと、すぐに薫は基の横を通りすぎて行ってしまった。


「なんだ、あいつ…」

「ひどいよ、春日くん!」

「!?」


いつのまにいたのか、柱の影からボブショートの女子生徒と悟がニヤニヤしながら出てきた。


「あんな美人を忘れるなんてひどいよ! 一体今まで何人の女を泣かせてきたの?」


ボブショートの女子がふざけて泣く真似をする。


「やめろ、吉乃」

「あははっ。吉乃さん、面白いね」


呆れる基の隣で悟がクスクスと笑う。


「女の子を泣かせたら、この吉乃が許しませんからね! 吉乃は女の子の味方ですから!」


ビシッと人差し指を基に向けると、ボブショートの吉乃は薫の後を追いかけて行った。


「なにあいつ、超うぜぇ」

「基、本当に知り合いじゃないんだ?」

「知らねぇよ。女からは喧嘩売られたことないし」

「告白されたことは?」

「……ま、まあ?」


ちょっと見栄を張ってしまった。


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