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覇者の剣

第4章 転校生

振り返ると、そこには転校生の碧也薫が鋭い視線で悟を睨み付けて立っていた。


「……碧也さん?」

「…あなた…」


薫が言いかけた時、何者かが薫の体を背後から羽交い締めにした。


「吉乃さん?」


薫を背後から羽交い締めにしたのは、同じクラスの吉乃だった。


「吉乃さん、何やって…」

「ヴウぅ!」


吉乃は低く唸りながら、徐々に薫の首を締め付けていく。とてもじゃないが、じゃれあってるという感じではない。


「くっ…!」

「ちょっと、吉乃さん? やめなよ!」


慌てて悟が引き剥がそうとするが、凄い力でびくともしない。


「……にっ……」


苦痛に顔を歪ませながら、薫が何かを呟く。


「えっ?」

「……お、にっ……」


(――鬼?)


その時だった。


「お前ら、何やってんだ!!」


男性教師の怒鳴り声で、薫の首を締め付ける力が一瞬弱まった。その隙を狙って、薫は吉乃の腹部に肘鉄を食らわせた。


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