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覇者の剣

第2章 襲撃

目の錯覚か、ほんのりと男の体の周りが赤く光っているように見えた。
しかも風もないのに、ジャリジャリと辺りの小石が動いているような気がした。


(なんだ…?)


一瞬、時が止まったような気がした。
しかし次の瞬間、何かが勢いよく自分に向かって飛んできた。


「…痛っ!」


飛んできたのはいくつもの小石だった。
基がとっさに鞄でガードすると、バチバチと激しく音がする。


(なんだよ、これ…!)


まるで小石が意志を持ってるかのように、自分に襲いかかってくる。
基はどうすることもできなくて、鞄で身を守った。


「…くっ…」


顔は防げたものの体にはいくつか小石が命中し、痛みが走った。


「…これは挨拶代わりだ。今後一切、悟様には近づかないでもらおう」

「なっ…」


男は基に背を向ける。


「挨拶代わりだと? ふざけんなっ…!」


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