そばにいたい。
第2章 二人暮らし
「ぼく…お姉ちゃんのこと、だいすき」
潤んだ瞳で見上げてくる遥斗は、まさに天使だ。
「お姉ちゃんも、遥斗のこと大好きだよぅ」
私は天使にデレデレだ。
「嬉しいな」
ホントに嬉しそうに微笑む遥斗。私はそっと遥斗の頭を撫でた。
「今日、お出掛けしようか?どこか行きたいところ、ある?」
パッと顔を輝かせて
「ぼく、水族館に行ってみたい!」
「お、行ったこと無いの?」
「うん…ダメ…かなぁ?」
くぅ、そんな顔されたらダメなんて言えない!そもそも言うつもりもなかったけどね。
「いいよ、行こう!私、シャワー浴びたり準備してくるから…遥斗も着替えておいで?」
「うん!」
元気にうなずいてパタパタと部屋を出ていく。
最後に残ったミニトマトを口に放り込む、ぷちゅっと口の中でみずみずしいトマトの果肉が広がる。
モグモグしながら、私は浴室に向かった。
途中でキッチンにお盆を置きに行くと、昨日流しに放置していたお皿は、キレイに洗って、食器乾燥機に並んでいた…。
遥斗…なんて、いい子!私みたいな、ずぼらの事を大好きなんて…もったいない…。
はぁ…と幸せなため息をついて、私はシャワーを浴びる。
無意識に鼻歌が漏れる。
昨日のお詫びに、今日は思いっきり遥斗を甘やかそう。