そばにいたい。
第2章 二人暮らし
窓から差し込む朝日で、目が覚める
ぼんやりとした頭は、コーヒーの香りでだんだんとハッキリしてきた。
小さな足音が近づいてくる、寝室のドアの前で止まる
ガチャ…とドアが開いて、そこには私の天使が大きなお盆を持って立っていた。
「あ、麻衣お姉ちゃん!おはよう!ぼく、朝御飯作ってきたよ!」
まじで…?スゲーな…!
よいしょ…とお盆をまだベッドの上にいる私の膝にのせてくれる。
トースト、ウインナー、スクランブルエッグ、ミニトマト、コーヒー
「ホントは目玉焼きにしたかったんだけど…」
黄身が割れちゃったから…と照れ臭そうに笑う。
私が感動のあまり呆然としていると
「お姉ちゃん…?どーぞ召し上がれ!それとも、ぼくが食べさせてあげようか?」
って、意地悪っぽく言われてしまった。
「イヤイヤイヤ…自分で…いただきます!」
フォークでスクランブルエッグをすくい、口に運ぶ
ほどよい塩気と、ケチャップの酸味と甘味
「ん~…おいしぃ~!」
「ホント?よかったぁ!」
遥斗はベッドに肘をつきニコニコして、私が食べるのを見ている
コーヒーもいつも以上に美味しい!
なんて幸せな朝なんだろう…!
「麻衣お姉ちゃん…」
「ん?なーにぃー…」
モグモグとトーストを頬張る私に遥斗が呼び掛けてきた
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