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そばにいたい。

第3章 二人で水族館

駅のホームから海が見えた。
青くキラキラしている。


「わぁ…海きれいだね…!あ、あれが水族館?」


海沿いの道にひときわ大きな建物が見える
壁に、イルカやペンギン、魚の絵が色とりどりに描かれているから、分かりやすい。


「そうだよー、行こう!」

「うん、いこう!」


遥斗は私の手を引っ張るようにして歩いていく、少し早足で私はついていく。


駅から少し距離があるが、徒歩で行けるくらいだ。


「入場券買ってくるね?」

「うん」


私は券売機で大人1枚、子供1枚の入場券を買って、遥斗に渡す。


なんだか一瞬、不満そうな顔をした気がするが、気のせいかな?


「その券を、入り口のお姉さんに渡してね」

「わかった」


遥斗は片手に入場券、もう片手は私の手を握り、入場ゲートをくぐった。


入ってすぐの場所には小さな熱帯魚の水槽がたくさん並んでいた。


「わぁ、キラキラしてて、きれい!」


私には遥斗の方がキラキラしてて、可愛い!っと思わず抱き締めたくなる衝動を押さえて、デジカメで遥斗と熱帯魚の水槽を撮る。


カシャッ


「あ、写真は良いよぅ…」


恥ずかしそうに顔を隠された。


「じゃぁ、遥斗に渡しておくから、好きな写真とって良いよ」

「え、良いの?ありがとう!」


カメラを受け取って、嬉しそうにレンズを覗き込む。
かーわいい、と思いながら、私も熱帯魚の水槽を眺める。


カシャッ


シャッターの音がした方を向くと、遥斗が


「お姉ちゃん撮っちゃった」


と笑う。
あぁ遥斗…可愛いやつ!


「次、行こうよ!」


遥斗は私の手をにぎり、次のスペースに引っ張っていく。

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