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そばにいたい。

第3章 二人で水族館


「…」


次の展示にいく通路で、遥斗は黙っていた。何かを考えるように。


「どうかしたの?お腹すいた?」


私が声をかけると、ハッとして何でもないよ!と笑顔になった


「次はなんだろう…」

「ワクワクするね」


遥斗がギュッと手を強く握る。
私は繋いでいる手の親指で、遥斗の手の甲を撫でる。スベスベだけど、子供特有のしっとりした感じ。
なにもかも愛しい。あぁ、これが母性なんだ…!
なんだかグッと来るわぁ…としみじみ思う。


「これ…クラゲ?」

「クラゲ…だねぇ、スッゴいたくさんいる」


天井がガラスになっていて見上げるようにクラゲを見る。小さいのも、大きいのもたくさん、ふわふわ漂っている。


ここはクラゲを中心にしたスペースのようで、様々な水槽に、いろんな種類のクラゲが漂っていた。


「ほへぇ…意外と…可愛い…」


ただ漂っているだけに見えたクラゲも、ヒラヒラした部分が動いて、自力で泳いでいるようだった。

クラゲスペースを歩きながら見終わり、次に進むと
ホールの真ん中に大きな円柱状の水槽があった。

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