そばにいたい。
第3章 二人で水族館
「わ、ぺんぎんだ!」
「なかなかクオリティーが高いね…!」
背の高いパフェグラスにチョコをメインとしたアイスやコーンフレークが入れられ、お腹や顔などの白い部分はバニラアイスや生クリームで再現されていた。
くちばしと、羽…?の部分はクッキーで出来ているようで、羽の部分はグラスに引っ掻けるように出来ている。表情もチョコペンで可愛らしく描かれていた。
背中側にはみずみずしいフルーツが添えられ、見た目も華やかだ。
「いただきます!」
「召し上がれ」
どーしよー、もったいないなぁ…と言いながらも遥斗はペンギンの頭をスプーンですくって食べる。
「おいしぃー」
と、喜ぶ遥斗の笑顔が見れて、私の心は満たされた。
「はい、お姉ちゃん…一口食べる?」
と、長いスプーンを差し出してくるので、じゃ、貰おうかな、とスプーンを受け取ろうとすると
「あーん、して」
と、天使がささやく。
恥ずかしい…けど、えぇい、遥斗のあーんじゃ!食べないと食べないで後悔する!
「あーん…ん…!おいしぃねぇ!」
遥斗は満足そうに続きを食べ始める。
甘いチョコレートの味が、なんだか久しぶりに感じた。美味しい…きっと、同じアイスを一人で食べても、こんなに美味しくない…。
遥斗が一緒だから、美味しいんだ…そう思うと、自然と笑みがこぼれた。
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