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そばにいたい。

第3章 二人で水族館


レストランの会計を済ませ、次に進もうと思っていたら


「麻衣お姉ちゃん…ぼく、もう一回ペンギン見ても良い…?」


と、見つめられた。
もちろん良いよ!と、エスカレーターで下の階に下りながら手を繋ぐ。

…おや?手の握り方がさっきと違う…

こ、これって、恋人握りってやつだよね…?

遥斗がそんなの知ってるとは思えないけど…
なんだか、照れ臭くなってきた…でも繋ぎ直すのも変だし…私はそのまま繋いでいることにした。


「ペンギンのどういうところが好き?」

「歩き方とか…水の中ではすごく早いとことか…あと…」

「あと?」

「白黒の動物って、可愛い…」


ちょっと照れ臭そうにボソボソと教えてくれた。


「なるほど、確かに白黒の動物って可愛いよね」

「うん」


嬉しそうに笑った遥斗
頬が少し赤い

ペンギンの水槽のそばにあるソファーに座ってペンギンとそれを嬉しそうに見る遥斗を見る


「…」


ふと、先ほどまで遥斗と繋いでいた手が、寂しく感じて
グーパーグーパーと、握っては開いてとしてみる。


タタタッと走りよってきて、隣に座る。


「麻衣お姉ちゃん、疲れた?」

「うぅん、平気だよ…でも、やっぱり、もうおばさんなのかも」


ヘラっと笑うと


「そんなことないよ!ぼくより年上だけど…全然若くてキレイだよ!」


遥斗は私の手を握り、言ってからハッとしたように顔を赤くした

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