そばにいたい。
第1章 二人の夜
「ぁあああぁ…あーりがとぉ、もぉ良いよぉ~」
「はぁー、もぅ、麻衣お姉ちゃん、全身固すぎ!」
「えへ、遥斗のおかげで、毎日身体が軽いよ、ありがとぉ~」
そう言って寝巻きの遥斗に抱きつく、恥ずかしそうにしながらも遥斗は大人しく抱き締められる。
毎晩、寝る前に遥斗がマッサージしてくれるのだ
。
10才と侮っていたが、さすが男の子…意外と力も強くて、さらにテクニシャンである…。
お姉さん、将来が心配だわ…!
「麻衣お姉ちゃん?どおしたの?」
ムムムと唸っていた私を心配そうにみる遥斗の顔が可愛すぎる!
「ゴメンゴメン、なんでもないよ!もう寝よっか?」
「あ、ぼく、ちょっと…おしっこ…先に寝てて!」
モジモジとする遥斗がまた可愛い…!
「一緒について行こうか?」
「だ、大丈夫だよ!もう10才だもん!」
「ふふ、わかった、じゃあ先に布団に入ってるね」
「うん…」
いそいそと部屋を出ていく遥斗の後ろ姿を眺めてから、私はベッドに潜り込む。
「広いな…」
一人で暮らしていた頃は、この大きなベッドを広いと感じることはなかったのに
遥斗が来て、一緒に寝るようになってから、このベッドは一人では広すぎると感じるようになった。
「年かな…」
イカンイカンと、眉間によったシワを伸ばす。
遥斗、遅いな…と思っているうちに私はウトウトして、眠ってしまった。
遥斗のマッサージはスゴいのだ。