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そばにいたい。

第3章 二人で水族館


私は遥斗のくれたタカラガイを手のひらの上で転がしながら眺めた。


「遥斗、優しいなぁ…こんな彼氏ほしいなぁ…」


デレッとしてしまう
パッと遥斗の方を見ると、遥斗もこっちを見ていて、目があった。
何故かバッと目を反らされてしまった…ちょっと、ショック…


私はタカラガイもポケットティッシュに包んでバッグに入れる。


「遥斗ぉー、そろそろ電車来るから、帰ろー」

「はぁーい」


素直に返事をするが、ちょっと名残惜しそうだ
あっという間に時間が過ぎた。
遥斗と暮らし始めてから、1日が短く感じる。
仕事してると長く感じるときもあるけど…遥斗と一緒に居るときは、時間が足りないくらいだ。


「楽しかった?」

「スッゴク楽しかった…!」

「良かった」

「また、おでかけしようね!」

「しようね」


手を繋いでホームのベンチに座って話す。
やっぱり、恋人握り…


「…」


遥斗が目を擦っている…眠いのかな?


「眠たくなっちゃった?」

「うーん…まだ、だいじょおぶ…」


ふぁあ…と小さなあくびをしている。


「電車の中で、寝てて良いよ」

「うーん…」

「あ、電車来たよ」

やっぱり、車で来れば良かったかなぁ…と思ったけど、まぁ良い思い出ってことで。


「お膝、枕にして良いよ」

「ん…」


ポンポンと自分の膝を叩いて、遥斗に膝枕をする。
遥斗はすぐに小さな寝息をたてて眠ってしまった。


「疲れちゃったねぇ…」


私は遥斗の肩を撫でながら、電車に揺られた。

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