そばにいたい。
第4章 二人の帰宅
「…だいじょーぶか?」
入っていく遥斗の後ろ姿を見ながら、自分も服を脱ぐ。
「遥斗?だいじょーぶ?」
「んー…」
ボーッとしたまま湯船に浸かる遥斗
私もザッと流して、遥斗の横に浸かる
「こっちおいで」
「ん…」
ボーッとしたままの遥斗を呼ぶと、フワッとよってきて、ギュッと抱きつかれた。
「よしよし…」
「おねぇちゃん…しゅき…」
絶対まだ寝ぼけてる…
ナデナデしていると、突然遥斗が、バッと離れた
「え!?な、何で?!」
「なんでって…何が?」
「何でぼく…麻衣お姉ちゃんと一緒にお風呂に入ってるの?!」
あはは、寝惚けすぎ、慌てすぎ、かーわいい
「さっき洗ってあげるって言ったじゃない」
「し、知らな、い…」
「寝惚けてたなぁ~!」
「恥ずかしいよぅ…」
キャッと言わんばかりにそっぽを向かれた…
「恥ずかしいって…一緒に入るの初めてじゃないし…もう一緒に入りたく無いんだ…お姉ちゃん…悲しいな…」
なーんて、意地悪いっちゃお
デュフフ…悪い笑いが出ちゃう!
「…!」
「遥斗にギューってしてもらいたいなぁー…」
チラッと遥斗を見ると、ちょっと顔の赤い遥斗が
「もー!」
と言って抱き付いてきた
「えへへ、遥斗暖かい…」
しっとり濡れた髪を撫でる、遥斗の匂いと、海の匂いがする
「体洗ってあげる」
「…うん」
ちょっと渋々感があるけど、遥斗は頷いた。