そばにいたい。
第4章 二人の帰宅
「あったよー!」
パタパタっと走ってきて、チラシを広げてくれた。
「食べたいの、遥斗が選んで良いよ」
「あ、じゃあ、ぼくね、食べてみたいのがあったんだ!これなんだけど…良いかなぁ?」
「どれどれ…?」
遥斗が選んだのは、ピザ生地のミミの部分にウインナーが入っているタイプのものだった
うん、ボリュームがハンパ無さそう…
「いいよ、トッピングとかどうする?」
「んー、チーズいっぱいで!」
「おっけー、ポテトと、チキンも頼んじゃお…」
「あ、麻衣お姉ちゃん、ぼく、注文の電話してみたい!」
「お、いいよー、分からないときは聞いて」
「はーい」
遥斗は電話の子機を持ってきて、チラシに書いてある番号を押す
緊張してるのかな、顔が真剣だ
注文をして、名前、住所、電話番号を伝えている。
無事に注文できたようだ、良かった良かった。
「30分くらいで来ますって」
「じゃあ、テレビでも見て待ってようか?」
「うん」
遥斗がテレビのリモコンを取ってくれる。
テレビをつけると、最近流行っているドラマがちょうど始まったところだった
「最近、話題らしいね、このドラマ…」
「うん、クラスの女子も、よく話してるみたい」
「へぇ…」
遥斗が私に寄り掛かっている。
腕に感じる温もりと、重みが心地良い。
テレビの中では、人気の女優さんと、若手の俳優さんのキスシーンだった
おいおい、こんなん10才の小学生の間でも流行ってるって…今時の子供って、中々ませてるな…。
チラッと遥斗を見ると、中々真剣に見入っていた。
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