そばにいたい。
第4章 二人の帰宅
「あ、ピザ来たかな」
私はパッと立ち上がり、バッグから財布を取り出すと、ちょっと逃げるようにリビングから出る
配達のお兄さんに代金を払い、品物を受け取ってリビングに戻ると、遥斗はソファーに座ってバラエティ番組を見ていた。
人気のお笑い芸人さんが司会を勤めている番組、さっきのドラマより、私はこっちが良いな
「遥斗、ピザ来たよ、食べよっか」
「うん」
まだ少し顔が赤い気もするが、遥斗はいつもの笑顔で頷く
「飲み物とってくるから、コレ広げといて」
「はぁい」
私はソファーの前にあるローテーブルにピザやポテトの箱を置いて、グラスと飲み物、取り皿を取りにキッチンへ向かう
「からかい過ぎたな…反省…」
はぁ…小さくため息をついて、リビングに戻る
遥斗はワクワクしたような感じで、広げたピザの前に座っていた。
「美味しそうだね」
「うん…!」
はい、とお皿とグラスを渡し、ローテーブルに向かい合って座って、いただきまーすと、食べ始めた。
「んー!おいしー」
「美味しいねぇ」
遥斗はたっぷりのチーズを、びよーんと伸ばしながらも、落とさないように上手に食べている
美味しいけど…ピザって結構重たいなぁ…明日はダイエットしよう…。
あ、遥斗…口の横にトマトソースついてる可愛い…
「遥斗、お口の横にソースが…」
私は手を伸ばして、遥斗の口元に付いたトマトソースを指で取って
「ついてたよ」
と遥斗の前に出して見せた…
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