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そばにいたい。

第4章 二人の帰宅


すると遥斗は

パクっと私の指をくわえた…

えぇぇぇえぇぇ…?!!
思わず固まってしまい、動けない

遥斗の舌がヌルリと私の指を這う。

チュッと音を立てて、遥斗の唇の隙間から、私の指が出る。


「えへ、麻衣お姉ちゃんの指まで食べちゃった」

「あ、は…うん、えっと…おいし、かった?」


うん、とニコニコしてる遥斗
私は心臓がバクバク言っている…動揺しすぎでしょ…


遥斗は何事もなかったように、またピザを食べ始めている


動揺を隠そうと、私はポテトに手を伸ばし、指でつまんで食べる

ホクホクしてて美味しい…
指の感覚を紛らわそうと、いくつか続けて食べる。

トマトソースを舐め取っただけじゃん!
中学生の女子じゃあるまいし…指を舐められて動揺するとか…処女か!

指に付いたポテトの塩をペロッと舐めて、ハッとした…遥斗のくわえてた指だ…

ギギギッと音がしそうな動きで顔をあげると

遥斗と目が合う


「遥斗…」

「ん?なあに?」


思わず名前を読んだけど、なにも言うことはない
私が何も言わないので、遥斗は首をかしげている。


「なんでも、ない…」


遥斗は思い付いたような顔をして


「麻衣お姉ちゃん…」

「…」

「疲れたでしょ?」

「え、うーん…ちょっとね」

「今日は早めに寝よう?」

「ん、そうね、そーしよっかな」


うぅ、遥斗…なんていうイケメンな気遣い!指ぺろで動揺してるなんて言えない…!

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