そばにいたい。
第5章 二人の寝室
ごちそうさまをして、テーブルを片付ける。
遥斗もテーブルを拭いたり、ゴミを捨てたりと手伝ってくれたので、すぐに片付いた。
「ありがと、じゃあ、歯磨きして、寝よ」
「はぁい」
遥斗は自然に手を握ってくる。
いや、別に良いんだけどね…ちょっと今は、私が変に意識しすぎている。
いやいや、弟みたいな子だよ…下手すると息子だよ。
生まれたその日から知ってるし…遥斗には言ってないけど、おむつ交換だってしたことあるし…!ちょっと興味から、つまんじゃったし…!あれを!
生まれたその日から、なんて可愛い子だろうと思ってたけど…一緒に暮らすことになるなんて思ってもいなかった…。
こんな天使のような素晴らしい10才に成長するなんて…思ってもいなかった!!
くぅっ…!と心の中で謎のガッツポーズをする私。
この天使が、私みたいな変な女に騙されないように、無事に立派な大人に育てなきゃ…!
洗面台の前で並んで歯磨きをする。
遥斗は歯並びも、とてもキレイだ。矯正歯科なんて必要無さそう…そして、虫歯も無いんだって…ま、天使なんだから虫歯なんて一生しないんだろうね!
うがいをする姿も可愛い…
「麻衣お姉ちゃん…」
「ん?」
「泡、垂れてるよ?」
「あ"!」
遥斗に夢中で、口が半開きになってたようだ
あわてて口をすすいで、垂れた泡を洗い流す。
「麻衣お姉ちゃんってさ…」
「うん?」
「そーいうとこ、可愛いよね」
「…へ?」
「早く寝よう、マッサージしてあげる」
「…うん」
なんだ、この子…いや、よくよく考えれば、前からこんな感じの良い子ではあった。気が利いて、優しくて…ただ、私が意識しすぎているのだ…。