そばにいたい。
第5章 二人の寝室
───私は夢を見ている
遥斗の夢だ
大人になった遥斗の夢
白い服を着た遥斗がこっちを見ている
優しい微笑みは変わらない
光が当たっているのか…とても眩しい
『 … … … … … 』
遥斗が何か言ってる
聞こえないよ…
私は遥斗に手を伸ばす
遥斗に触れたと思った瞬間
ハッと目が覚めた。
まだ外は暗い…
遥斗の規則正しい寝息が耳元に聞こえる
私は遥斗を起こさないようにベッドから降り、そろりそろりと部屋を出て、キッチンに向かう
ひどく喉が乾いていた…
冷蔵庫からミネラルウォーターのボトルを出して飲んだ、冷たい水が喉を潤していく
「ぷは…」
ボトルを冷蔵庫に戻し、部屋に戻る
寝ている遥斗の横に潜り込み、抱き寄せる
う…っと小さく呻いた声がしたが、また規則正しい寝息に戻った。
「…」
遥斗を抱き締めて、柔らかい漆黒の髪に顔を埋める。
子供の匂いなのかな…遥斗だからかな…良い匂い…。
大きく息を吸うように、遥斗の匂いを胸いっぱいに吸う
どんな大人になるのかなぁ…楽しみだなぁ…
遥斗が彼女とか連れてきたら、怖いお姉ちゃんだと思われないように優しくしてあげよう…
結婚したら、うるさい姑…ん?小姑?か…どっちでも良いけど、そう思われないようにやっぱり優しくしてあげよう…
それから…私も…いつか…いつか…結婚するのかな?
考えながら私はまた眠りに落ちた