そばにいたい。
第6章 二人で休日出勤
~♪~♪~♪
ケータイの鳴る音で目が覚める…
電話だな…早く切れないかなぁ…そんな風に思いながら、横に寝ていた遥斗に抱き付く。
あぁ…暖かくて、気持ちいい…
~♪~♪~♪
鳴り止まない…更にしばらく無視していると
「うにゃ…まいお姉ちゃぁん…でんわだよぅ…」
と電話の音で起きてしまった遥斗は、目を閉じたまま私を揺する。
「知ってる…けど、遥斗とこうしていたいんだもん…」
私はさらに遥斗をギュッと抱き締める
「うー…苦しいよう…大事な電話かもよ…ちゃんと出なきゃ」
遥斗は、もがきながらも正しいことを言う。
私は渋々、遥斗を解放してケータイを取りに行った。
日曜の早朝に電話とか…ろくでもない電話に決まってる…。
そう思ってまだ鳴り止まないケータイの画面を見ると
《内田 杏子》
キョーコ…職場の後輩で、私の直属の部下になる女の子だ。
悪い子ではない、可愛くて、明るくて、がんばり屋さんだ。
飲みに連れて行くこともあるし、以前一緒に旅行にも行った。
ただ、ちょっと元気すぎて疲れる時もある。
まぁ、社内では良いムードメーカーではある、男性社員にもきっと人気があるだろう。
え?私?私の事は良いのよ…きっと怖い女だと思われてるだろうし。私が優しさの大盤振る舞いをするのは遥斗にだけである。
私は鳴り止まないケータイを見ながら小さくため息をつくと、諦めて通話ボタンを押した