そばにいたい。
第2章 二人暮らし
残業を2時間だけして、急いで電車に飛び乗る。
朝ほどじゃ無いにせよ、混んでいる。
「晩ごはん何にしよう…一人の時は基本的にコンビニとか外食だったなぁ…」
フッと、昔を思い出すように呟いたが…そもそも二人暮らしになって、まだまだ2ヶ月もたたない。
「明日は土曜日で休みだし…久しぶりに外食にしちゃおっかな…」
そうと決まれば気持ちが楽なもんで、家の最寄り駅に着くなり家に電話をかける
プルルルル…プルルル…
数回のコールの後カチャッと受話器の上がる音がする。
『はい、もしもし宮下です』
遥斗の声がする、遥斗の名字は''宮下''ではなく''神崎''なのだが、まぁ私の家だし…宮下です。で正解だよね…とか考えながら遥斗の声にキュンとする。
「あ、遥斗?アタシだよ~」
『麻衣お姉ちゃん!どおしたの?…もしかして…お仕事遅くなる…とか?』
パッと喜びの声が、だんだん悲しそうに変わる…私は慌てて
「え!違う違う!明日は休みだし、晩ごはんを外で食べようって言おうと思って電話したの!」
『ホントに?やったぁ!どこ行くの?』
「遥斗の食べたいもので良いよ、今駅だから…私が帰るまでに食べたいもの決めておいてね?」
『うん、わかった!早く帰ってきてね!』
はーいと返事をして電話を切る。
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