そばにいたい。
第2章 二人暮らし
ゴシゴシと目元を拭い、無理矢理に笑顔を作る。
それを見た遥斗は私の腕から抜け出した。
そして―…
「お仕事で辛いことあった…?ゴメンね、ぼくがもっと大人だったら…ぼくが麻衣お姉ちゃんを助けてあげれるのに…ゴメンね」
そう言って自分の胸に私の頭を抱き寄せ、小さな手で私を撫でてくれた。
違うのに…辛いのは遥斗で、私じゃない…。
「…私は、大丈夫だよ、遥斗、ありがとう…」
遥斗の腰に腕を回して、ぎゅーっと抱き締める
はぁ…良い匂いじゃぁ…!
「ふふ…遥斗の良い匂い…」
「麻衣お姉ちゃんも、良い匂いするよ」
遥斗が私の髪をクンクンする気配がして慌てて逃げようとする
「や、ちょっ…ダメ!」
「どおして?」
きょとんとした顔で見てくる純粋な遥斗の瞳
「お風呂まだだし…」
「ちっとも臭くないよ?麻衣お姉ちゃんの匂い…ぼく、大好きだよ」
とびっきりの笑顔で言われ、私の心臓は爆発しそうだった…めっっっっちゃくちゃ、可愛い。
あーマジ天使…。
「もぉ…まぁ良いや…このまま寝ちゃっても良い?」
「良いよ、ぼくがナデナデしててあげるね」
「ん…」
今日はこのまま、遥斗の優しさに甘えよう…
遥斗の手が髪を撫でてくれる
心地良い…
遥斗に擦りつくように抱き付いたまま、私は眠りに落ちた
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