触って、七瀬。ー青い冬ー
第8章 初夜の残像
「おねだり、してごらん?」
「はぁっ…」
耳が溶けそうだった。
誰の声よりも感じる。
「触って…」
「触るだけ?」
黒いパンツが下され、棒が跳ね上がった。
高梨の指の爪が、つーっと裏筋をなぞる。
「んっ…舐めて…」
ぬるっ、という暖かい壁が、僕を包んだ。
「んぁっ…あっ」
舌が、ねっとりと絡みつく。
ゆっくり、ゆっくり、僕をじわじわと追い詰める。
「はぁっ…はぁっ、ああっ」
快感に押されて、声が高くなる。
高梨の舌が、僕の先端を包んで粘膜を擦る。先が真っ赤に膨らんでいく。
「んあっ、あっ」
腰が揺れる。
ずちゅ、ずちゅ、と音がする。
揺れる視界に、高梨が僕の棒を含んで遊んでいる光景。
高梨のあの、綺麗な顔が台無しだ。
その目は狼のようで、僕にいつトドメを刺すか狙いを定めているようだった。
目を合わせたら読まれてしまうのに、
僕は目を離せなかった。
その目が僕をもっと乱れさせる。
高梨は口を離し、すっかり濡れたそこを手のひらで包んだ。
さっきより早く、激しく、完全に僕をいかせる気だ。
「はぁっ、ああっ」
「いきたい?」
「いき、たいっ、あっああっああっ」
大きな手は僕の全てを包んで擦り上げる。
僕の頭の中の、何かが騒いでいる。
このままじゃ溢れてしまう、壊れてしまうと。でも、もっと、もっと、という。
身体中に力が入って、腕にネクタイが食い込んだ。
逃げられない。
「いっく…でる、ああっ、あっ」
あ、
「まだ、駄目」
高梨の声が囁いた。
「は…は…」
僕の棒がピクピクと跳ねている。
すぐそこまで来ていた液が、ぐっと下がっていく。
先走った透明な液が、つぷつぷと我慢しきれずに溢れていた。
高梨は僕を四つん這いにさせた。
はだけた白いシャツと、棒が下に垂れ下がる。
「良い眺め」
高梨は僕の腰を撫でる。
そして、突然穴に舌を這わせた。
「はぅっあ」
くちゅ、くちゅ、と音がする。
僕の穴はもう、快感を覚えることに抵抗しようとしなかった。
「あっ、あ」
高梨の手が、垂れ下がった棒を握る。
「あっ」
ぬる、ぬる、とゆっくり擦れる。
「んんあっ」
ぐちゅ、と穴の中に舌が忍び込む。
「はっ、あ?」
覚えのない柔らかい侵入物に、足がよじれる。