触って、七瀬。ー青い冬ー
第8章 初夜の残像
「いいっ、ああっ」
突き上げて、夕紀をイかせる。
夕紀の綺麗な臀部がふるふると揺れて、
逃げようとする。
それを追い討ちをかけるように差し込んで犯し、容赦なく快楽を与える。
「いっく」
夕紀のこの声が好きだ。
「ひぐ、やだっ、いっちゃ…」
夕紀は快感に歯を食いしばって、
声を殺したまま腰をふわふわと振ってイった。
夕紀は脱力して伏せた。
いつものようにここから追い詰めようとしたが、腰を動かしても反応がない。
「夕紀?」
「は…は…」
夕紀は失神していたみたいだった。
「…無理させちゃったかな」
夕紀からそっと抜くと、夕紀はぴくっと足を浮かせたきりだった。
…夕紀はまだ子供だ。
子供じゃないとは言ったが、
身体はどうしても、成人よりも幼い。
耐性がつけば問題なくなるのかもしれないが、一日に数回イっただけで失神してしまい、イく回数はどんどん増えて敏感になる。
初めてやった時も、夕紀が失神してしまって申し訳ないと思ったのを思い出した。
「ん…んっ…」
夕紀はまだ余韻で震えていた。
その頭を撫でた。
その目を閉じた顔は、やはり子供だった。
…夕紀は行く宛がないといった。
でも、そんなことがあるだろうか。
親戚とやったのはまずいが、
それにしても祖父母や両親の兄弟や、
友人など、俺よりは頼りになる人がいてもおかしくない。
《翔太さんは、頼れるちゃんとした大人だから》
頼れる大人、な訳がない。
人に言える仕事じゃない、
俺だって家族であてになる人はいない、
収入だけは人よりもある。
でも、ただそれだけ。
身体を売ってる分、老いたら稼げなくなるかもしれない。
不安定だし、不安は沢山ある。
夕紀がこの先社会に出て働くとして、
俺は逆に荷物にならないだろうか。
夕紀が、そこまで考えているとは思えないが、もし、万が一この子が俺を頼りたいと思っているのなら。
俺は頼れる大人なんかじゃないと伝えなければいけない。
でも、そんなことを言ったら夕紀は…
「翔太…さん?」
夕紀が小さく呼んだ。
「夕紀!大丈夫?」
「はい、なんとか…」
夕紀は身体を重そうに起こした。