触って、七瀬。ー青い冬ー
第9章 木村千佐都の不覚
私達は二人で馬鹿だった。
馬鹿同士、お似合いでしょ?
「顔だけは一番可愛い、最高」
伊織はキスしながら言って、私を脱がせていく。
「性格ブスでも?」
「ヤるのに性格とか関係ねぇから」
伊織は私の胸を慣れた手つきで軽く揉んだ。
「でっか」
「良いでしょ?」
「うん、巨乳大好き」
伊織は私の乳首を吸った。
息が漏れる。
私は簡単に声なんか出さないから。
あんたの安いセフレと違うから。
「我慢してんの?」
伊織の舌が先を擦る。
息に声が押し出されそう。
あの伊織としてるってだけで頭おかしくなりそうなのに。
伊織の愛撫は丁寧で優しくて、
じっくりと、ゆっくりと私をほぐしていった。
伊織は私のスカートの下からパンツを引き剥がした。
パンツがぐちゃぐちゃに濡れていた。
「すっかり仕上がってるみたいですけど千佐都さん」
「死ね」
私は机の上に寝かされて、足を開かれた。
なんでこんなとこ見せなきゃいけないの?
ぬるっ、と指先が割れ目を撫でる。
「ひぁっ」
くちゅ、という音が聞こえる。
伊織の指先は冷たい。
「あーあー、糸引いてる」
冷たい指先は、私の目の前であそこの液を見せた。
「俺のキス、良かった?」
また、私をからかってる目。
「最悪」
「お口に合いませんでしたか」
伊織はわざとらしく悲しそうな表情をして、私の割れ目を優しく擦る。
「ふっ…ん…」
手の甲で口を抑えた。
私は自分で触ったことなんてほとんどなかった。ここって、こんなに熱くなるものだったんだ。
「指、入れるぞ」