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触って、七瀬。ー青い冬ー

第9章 木村千佐都の不覚



一番奥はまだ少し硬くて痛みもする。
でも、ここもまた、突かれるたびにほぐれていく感覚がする。

「いっ、んっ、あっ、んん」

こり、こりっと奥の方が押しつぶされる。

「いい、そこ…あ」

ぱん、ぱん、っていう音はやまない。
私の声よりをかき消すくらい大きく教室に響く。

誰かが通ったら…


「ううんっ、ああっやぁんっ、伊織」

ぐりっ、こりっ、て擦れる。
くちゅ、くちゅって溢れる。

「いおりぃっ、あぁっあ」

ぱん、ぱん、と打ち付ける伊織は、息を漏らした。

「…は、ぁ」


「いおり、いおり」


伊織は名前を呼ぶと喜んだ。
知ってる。だから、呼んであげる。


「いおりぃっ」

気持ちよかった。
よくわからないけど、
いくなんて知らないけど、
とにかくふわふわして気持ちよかった。


「…イく」

伊織は熱っぽい息を吐いて、中からそれを抜いた。


ぴゅ、ぴゅっと私の肌に飛び散った。



「…はぁ、は…」


伊織はすぐに服を直して、何もなかったみたいに支度をした。


「じゃ、帰る」

「は、嘘、あの意見書は」

「随分ご無沙汰だったからめっちゃ良かったわ。次会った時な」

伊織は鍵なんて探してなかったに違いない。

最初から身体目当て。

伊織は本当にガラガラと扉を開けて出て行こうとする。


「ちょっと、伊織!」

「処女っていう唯一の強み失くしたお前にはもう用ねぇわ」


伊織は笑ってそういうと、部屋を出て扉を閉めた。

「…」


伊織なんか大っ嫌い。
死ねばいい。

痛い目にあえばいい。



私はそんな風に思いながら、やっぱりまだ、伊織のことが好きだった。


「クソ野郎」


……



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