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触って、七瀬。ー青い冬ー

第10章 夜明けの水平線



……



ピロピロピロン♪


「はいはいはい」



ピロピロピロン♪


「…もしもし?」


てめぇこの野郎


「えーと、どちら様でしょうか?」


伊織だよカス


「あー、はいはい。おこですか?
怒ると口悪くなるの直んないねホント。
昔は可愛かったのに」


黙れ


「で、何の用?
伊織が自分から電話なんか珍しいね」


…七瀬夕紀


「あー…、バレた?」



バレた?じゃねぇよぶっ殺すぞ



「ごめんごめん。伊織の彼女でしょ?
あの子ステージ見に来たんだよ」



ステージって、例のクラブかよ



「そう。親戚、例のピアノの先生に連れてこられたって言って。
本当に綺麗な子だったからすぐ分かった」


あの男…正気かよ


「うーん、多分頭おかしいね」


それで強姦したんだろ


「人聞き悪いなぁ。

あの子、すごい札束持っててさ、
側から見たらやる気まんまん
って感じだったよ。

どうせセンセのお小遣いだろうけど。

まぁ、10円でもあの子にしたけどね。
伊織の彼女がどんな子か見たいし」


彼女じゃねぇわ馬鹿か


「あの子、すごいよ。
フェラ上手いし敏感だし肌白いし可愛いし
フェラ上手いし」


もう喋んな変態


「そんで今、お見舞い行ってるよ」


七瀬が?誰の?


「センセーの。

一回お母さんに捕まって、実家で話してくるって言って、それからお見舞いに行くってだけライン来た。

ご両親に何て言われたのかな」


…大丈夫なのかそれ

「わかんないけどねー。
まあ、多分無事に帰ってくるよ」


そういや、あんた路チューしたそうだな


「うん?あ、したかも」


目撃されて今学校で俺と七瀬がしてたことになってる


「あ、まじ?やったね」


絞め殺すぞ


「冗談。それは困ったね」


困ったってか…


「伊織、あの子好きなんだもんね」


好きじゃない


「隠さなくていいよ、
噂の元作ったのは謝る」


…どういう経緯でそうなった


「俺しか頼れる人が居なかったって。
まず親戚は無理だし、友達も一人しかいなくてその子には犯された?とか。
あり得ないよね」


俺はしゃがみこんで頭を抱えた。


「まぁそんなわけで、一回お店で会っただけの俺んとこにいる。毎日楽しんでるよ。
俺のこと大好きになったみたい」


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