触って、七瀬。ー青い冬ー
第14章 神の告白
「きっと、
バレたら退学になっちゃうわねぇ〜。
社会的にもマズイんじゃないかしらぁ?」
千佐都は怪しい笑顔を見せた。
「…なんだよ、秘密って」
んふふ、と千佐都が満足げに笑った。
「知りたいっていうなら、
ディナーに来てもらうからね」
「…はぁ…」
行かなければ秘密をバラす、
行ったら秘密が何かは教えてもらえる。
「じゃあ、俺が行ったらそれはバラさないな?」
千佐都はふーん、と考えた。
「そうね、
そういうことにしてもいいいわ」
こいつは、俺が行ってもバラすつもりだったのか?
「じゃあ、25日の20時に、
朱鷺和通りのツリーの前ね」
「…わかった」
まぁ…
元々、その日は夜中のステージに出る予定しかないし。
…いや、よくない。
良いわけがない。
「七瀬君、来年もよろしくね」
「あ…はい、どうも」
今日は、今年最後の登校日であった。
隣の席の七瀬夕紀の机の上には、沢山のクッキーやらチョコやら、よくわからないラッピングのされたものが山積みになっている。
クリスマスプレゼント、とかいう名目で。
バレンタインならまだしも、
これはもはや、プレゼントの意味がよくわからない。
しかし、女子高生のやることだ。
俺に理解できるはずがない。
「伊織君、メリークリスマス!」
「あ、ありがとう」
まぁ、俺も同じように色々と積まれているが。
バーン、と教室の扉が勢いよく開けられる音がした。
「やぁー、たーかーなーしーくーん」
現れたのはお馴染みの三刀屋慎二。
「お前らはまた色々貰いやがって!
ちょっと分けろや!」
「あ、貰ってくれんの?ありがたいわ。甘いの無理だし、素人の手作りとか食べらんないから」
「うっわぁ、ひどーい高梨君。みんな頑張って作ったんだよぉ」
みとやんがぶりっ子の真似をして言った。
「頼んでねぇし」
「はぁーあ、なんでみんなお前の性格の悪さに気づかないのかねぇ。
ただちょっと顔がいいからって!」
「そんなに羨ましいなら整形しろよ」
「もう高梨なんか知らない!
ねぇ七瀬くーん、高梨が酷いよー」
あろうことか、三刀屋が七瀬に話しかけた。
「ちょ、おま…」
「酷いですね」
どんな反応をするかと思えば、
七瀬はそれだけ三刀屋に言った。