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触って、七瀬。ー青い冬ー

第14章 神の告白



「それって、立花の言ってたことかよ。
まさか自分で捕まりに行く気か?」


「そう…だけど、なんで知ってるの」


「あ…悪い、これも言ってなかった」


「ちょ、ちょっと待って、色々聞いちゃいけないこと聞いてるような気がする」


「もう会わないんだったら全部言ってやるよ」

「ちょっと待ってよ」

「立花薫とは知り合いっつうか、
まあ顔馴染みだ。あいつは勝手に幼馴染だと思ってるらしいが」



「それで前にお前が捕まった時助けたのは俺で、翔太じゃないし、その後やったのも俺だし」

「へ?え?」


「目隠ししとけばバレないかと思って。
本当に気づかなかったから良かったけど、
結局自分で暴露するとはな」

「最低」

「あの時はかなり我慢してたからな…

お前が無視とかするから余計に興奮するというか、掻き立てられるといか。

やっぱり定期的に補充しとかないと暴走する。
今も結構辛い。禁断症状ってやつ?」


高梨は手袋をはめた。


「意味がわかんないんだけど」

「…とにかく、これだけ渡しておく」


高梨がポケットから何かを取り出した。

真っ白なリング。



「何で指輪?」

「知らん」

「黒いの、高梨もしてたよね」


「ああ」


「白より、黒がいいな」


「お前には白が似合うよ」


「嫌だ、黒がいい」


「…仕方ないな」


高梨は手袋を外して親指にしていた指輪を取った。


「ほら」


高梨は、僕の手のひらに乗せた。

「じゃあ、白は高梨にやるよ」


「そりゃどうも」


僕はその黒い指輪をポケットの中で握った。少し温かかった。


「つけろよ」


「やだよ」


「指輪は指にするもんなんだよ」


「知ってるけど、失くしそうだから」


高梨は僕の腕をポケットから引き抜いて、
僕の手から指輪を奪った。


「なんで!?」


「最後くらい言うこと聞け」


「別に、反抗してるわけじゃないけど」


高梨は、僕の手を取って、僕の人差し指につけた。



「外したら天罰が下る」


「なんだそれ」


高梨は、白い指輪をはめた。


「なんか違和感あるな」

「そう?似合ってる」


僕はどこに行くんだろう。

色々な気持ちがこんがらがっていて、
今すぐ全部投げ出してしまいたいけど


なぜか今は幸せだった。
最後なのに。

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