触って、七瀬。ー青い冬ー
第15章 指先の快楽
「ごめん、これ僕にくれない?」
彼女の目を優しく見つめた。
なんだか変な気分だった。
彼女は恥ずかしそうだったけど
嬉しそうにも見えた。
女の子を落とすって
こういう感じなのかな
高梨だから出来ると思っていたけど
こういうことが僕にもできるなんて
思いもしなかった
「あっ…あ、は…」
彼女は目を逸らした
「かわいいね
何も言えなくなっちゃった?」
彼女の顎を持ち上げて
目を見つめさせてあげる
「っ…」
彼女は目を泳がせて息を荒くした
彼女はそうして教えてくれた
僕は男だ
「ねぇ、どうしてもその名刺欲しい?」
彼女の握る名刺には《伊織》という文字と電話番号だけが書かれていた。
「伊織様って呼んでるの?
綺麗な顔だよね 優しいし
僕さ、これからその人にめちゃくちゃに犯してもらうつもりなんだけど
伊織の太くて長いやつで
良い所突いてもらうの
気持ちいいよ震えが止まらないくらい
3時間はイきっぱなしで
頭ん中真っ白になるよ
それでも足りなくて
震えながら擦り付けちゃうんだ
欲しくて堪らないんだ」
彼女の耳に囁いた
彼女は震えながら耳を真っ赤にした
「僕、気持ちいいこと大好きなんだ
君も好きでしょ?
キスだけでもすごく気持ちよくなれるよ
教えてあげよっか 最高に興奮するやつ」
高梨がいけないんだ
僕を嫉妬させるから
彼女は目をとろけさせて僕に体を預けていた
ほら、僕だって女の子を口説き落とせる
かわいく僕に懐いてる
物欲しそうに僕の唇に目を奪われて
夢中になってる
彼女にキスをしてあげよう
「う、んん!」
キスをする前に、高梨の手が僕の口を塞いだ。
「何やってんだバーカ、
ペナルティ追加」
彼女はキスをお預けにされて、震えながら床に座り込んだ
「あーあ、可哀想だな
お前にしがみついてキスしてくれるの待ってたのに」
高梨はエレベーターに僕を連れ込んだ。
「可哀想なのは誰だよ」
僕はむっとして言った。
高梨は扉を閉めるボタンを押した。
「何、嫉妬した?」
「…してないし」
「嘘ついたらペナルティ追加する」
さっきからそのペナルティってなんだよ
ふつうに怖いわ