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触って、七瀬。ー青い冬ー

第15章 指先の快楽




「…しました」

またこうやって恥ずかしことを言わせられる。

「何で?」


「何でって…女の子誘ったりするから」

「俺の勝手じゃん、
何勝手に嫉妬してんの?」


え…?

やっぱり、僕は勘違いしてたのかな
高梨はやっぱり遊んでるだけなのかな

また逆戻りした


「っ…も…やだ」

わかんないよ
何を信じたら良いか

高梨は僕を壁際に追い詰めた。


「なぁ七瀬、そうやって目ぇ潤ませるのやめて?いじめたくなる」


「もう…いじめてるよ」


高梨は少し黙って呟いた。


「…ごめん、かわいいから」


…なんで、そういうこと言うかな


「嘘ついてるのそっちだよ
ペナルティ追加」

高梨は僕の横に手をついて僕を責めるみたいに言った

「嘘じゃない

かわいいんだよお前

香田がいじめてたの、
お前には悪いけど気持ち分かるよ


かわいいからいじめたくなる
俺だってお前を苦しめたくない

でも気づいたら泣かせてる

なぁ、
何で俺の言うこと信じてくれないの」


高梨は甘い香りで僕を誘った

その言葉は優しくて気持ちいい


「七瀬…ごめん、泣かせてばっかで」


「ほんと…だよ、馬鹿梨」


「ごめん、でもやっぱり興奮する
…ほら、もうこんなに勃ってる

俺、頭おかしいから

ごめんな、
そういう趣味で
ちゃんと愛せなくて
お前の気持ち分かんなくて
自分勝手で
友達でいられなくて」

僕は首を振った。

「友達…は、やだ」

「うん」
高梨は頷いた。

だからって、恋人って呼べる関係なのかわからないけど


「キス、したい」

高梨の目がちょっとずつ変わっていく

「…うん」

「していい?」

「…うん」


高梨の唇はびっくりするほど柔らかい

雪を触った時みたい

触れてみたら、思っているよりずっと
柔らかい


「っん…」


高梨は僕を壁に押し付けて
僕を逃がさない

途中で扉が開いて、僕だけが扉の向こうの人と目が合う

それでも御構い無しに高梨は舌で僕の口の中を犯す

高梨はキスをしながら、扉の向こうで顔を赤くしている彼らのことも無視しながら
扉を閉める


17階について、高梨に引っ張られて
部屋に連れ込まれてベッドに投げこまれて


「っはぁ…はぁっ、はぁ」

高梨は息を荒くしたまま自分のベルトに手をかけた


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